5月11日付の「しんぶん赤旗」日刊紙一面で、政府の原子力安全委員会委員長の斑目春樹委員長をはじめ、原子力委員会、経済産業省原子力安全・保安院の委員や審査委員などを務めてきた大学教授ら24人が、原子力関連の企業・団体から2006年度から10年度にかけて合計で1億965万円(一人平均約456万円)の寄付金を受けていたことを報道しました。
この記事はWebでも公開されており(
コチラ)、そこでも紹介されている一覧表が下の図表です。
これらの寄付はそれぞれの委員が所属する大学へ、企業、業界団体が「研究助成」名目で寄付して、それらの企業・業界団体が指定した教授らに届いているそうで、一般的な大学の研究活動への寄付とは異なり、具体的な目的なりがあって寄付をしているのでしょう。
もちろんこれらの寄付行為は違法なものではないですし、政府の各種審議委員を務める大学教授などの「学識経験者」には、国会議員に対するような規制や届け出義務の類もないですから、法に反するものではありません。
また一般論として、企業が大学や各種の独立した研究機関で行われている研究や技術開発に対して、「投資」ではなく「寄付」を行うことすべてを否定するものでもありません。
しかしそれでも今、原発の安全性が問題になり、政府の原発政策への信頼が大きく損なわれ不信が広がっている時に、その政府の原発関連の委員に、原発業界から多額の寄付が行われているという事実を、みなさんはどう思われますか。
個々の委員の方には言い分もあるでしょう。また私は原子力関連の技術研究そのものを一概に否定するものでもありません。特に重大な原発事故が起きてしまった下ではその対策も含めた研究の役割は重要になっていると思います。そしてそういう研究には多額の経費がかかるであろうなとも考えますし、それに対し何らかの企業、業界団体が、思惑を持ちながら「寄付」をすることはありうることでしょう。
そういう「寄付」を、政府の原子力政策の推進によって利益を上げてきた企業、業界団体がしていることについても、百歩譲って眉をひそめるくらいにしてもいいです。
しかしそういう「寄付」を受けた側の科学者が、政府の原子力関連の各種委員などの公職に就くことはどうなのかと思います。
「李下に冠を正さず」のたとえもあるように、原子力の安全性や規制について公平中立な立場からの意見を求められる「学識経験者」が、原子力推進によって利益を得ている企業などから寄付を受け取っていては、どのように言おうとも国民の信頼は得られないでしょう。
「しんぶん赤旗」の記事の最後の方には「業界から寄付を受けた委員には、委員を兼任したり、会議の座長を務めるなど、要職者が目立ちます」とあります。仮にこれら24名の方々が、原発関連の公職にいっさい就いていなかったとしても、このような寄付が行われていたのでしょうか。
東京電力福島第一原発の事故以来、政府の原発政策に対する国民の信頼は大きく損なわれています。そしてその要因の一つには、巨額の資金にものを言わせ原子力関係の科学者たちに寄付をして、その寄付を受けた当人たちが平然と公職に就いているということもあると思います。
少なくとも、原発関連の企業や業界団体から寄付を受けているような研究者は、最低限、公職には就かないという節度を持ってほしいと思います。
なお所用で明日から山口県の実家へ帰省するので、3、4日の間、更新はお休みします。
posted by こうじろう at 16:38|
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