2015年10月09日

第77回全国都市問題会議に参加

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 8、9日と長野県長野市で開催された「第77回全国都市問題会議」に参加してきました。8日は午前9時半から開会するので7日の夜に長野市に泊まる2泊3日のちょっとした旅行になりましたね。
 主催は長野市と全国市長会などで、毎年その時々のテーマを設定して開かれています。京田辺市議会では毎年、この「全国都市問題会議」か、全国議長会が主催する「議長会フォーラム」に議員の半数が参加して研修するようにしています。

 今年のテーマは「都市の魅力づくりと交流・定住 〜人口減少社会に立ち向かう 連携の地域活性化戦略」というもので、初日は女性として初めてエベレストに登頂した登山家の田部井淳子さんの講演から始まり、長野市長の報告、そして研究者の方の報告や愛知県豊田市長の報告、長野県小布施町を中心にまちづくりに取り組む方の報告がありました。

 いずれも具体的な事例をあげながら、地域をどう元気にしていくか、という内容のものでしたが、特に良かったのは立教大学観光学部兼任講師や「観光地域づくりプラットフォーム推進機構」会長などをされている清水愼一さんの報告でした。

 清水さんは「観光地づくり」ではなく「観光地域づくり」が重要だと強調されました。簡単にいえば、観光客がきて地域全体が元気にならないとだめだということで「観光地域づくり」であり、「住んでよし、訪れてよし」の地域づくりです。清水さんは、観光客がきても地域が潤わないやり方は間違っていたのではないかと指摘し、地域全体が豊かになるようにしていくことが大切と話されました。

 「観光」の語源は「光(暮らしぶり)」を「観る」ことで、そこにしかない「地域の雰囲気」を楽しむ滞在交流型観光をいうことで、徳島県三好市祖谷町の例も紹介されました。山深い地域の住民の暮らしそのものをしっかり見つめて、それを発信することで大きな成功をおさめた地域です。

 清水さんの報告でもう一つ、なるほどと感じたのは、「観光」を頭の中に入れながらまちづくりを進める、観光はあくまでも手段であり、住みよいまちづくりを進める一つの方法だという指摘です。
 例えば交通の便が良くない、買い物などが不便などの地域住民の悩み、お年寄りの悩みというのは実は観光客の不満でもあると指摘され、観光客の視点から地域の課題や悩みの解決を図るのが「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりだということです。

 その上で清水さんは、そういう「観光地域づくり」を進めるために、業種を超えて、自治体を超えて、官民を超えて、連携していくのが大事で、商工会議所、観光協会、NPO、商店街、行政などなどが一堂に会して相談し、取り組んでいくことが重要だと話されました。

 示唆に富む報告で、特に観光客の目線で地域の課題を解決することが、高齢者などにとっても住みよいまちづくりになる、というのは大事なことだと思いました。

 二日目は午前中だけでしたが、パネルディスカッションがありました。岡山県真庭市長や愛媛県今治市長、スポーツを軸にしたまちづくり、など多彩な発言がありましたが、ここでは公共交通の問題を取り上げた両備グループ小嶋光信さんの報告が印象に残りました。

 小嶋さんは実際にバス会社などの経営や和歌山電鉄の再生に取り組んできた方です。バス事業の現状について、自動車の普及で売上が半分になっても経費が下がらないのが公共交通事業の一つの特徴で、約9割のバス事業は赤字になっており、経営として成り立つようなものでなくなっていること、にもかかわらず日本の公共交通はほぼ民間に任せきりにされており、世界的には珍しい国になっていると指摘されました。

 そしてこれからの公共交通について、これまでの事業者任せ、事業者の孤軍奮闘という形から、国、自治体、市民と事業者が一体となって、地域づくりの一環として公共交通の維持発展を図るものへと大きく変わっていくべきだと強調され、公設民営の形でやるべきではないかと提案されていました。
 公共交通の問題を考える上で参考になる報告でした。

 長野市までいくのに半日がかりの移動になり、結構大変でしたが学ぶべきものも多かった研修になりました。
posted by こうじろう at 19:59| Comment(0) | 議会の外で | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする