2016年09月30日

水道管施設の老朽化・耐震化対策 9月議会一般質問から2

 今日の記事は9月29日の記事「京田辺市水道事業を論ずる視角 9月議会一般質問から1」の続きです。(下の写真は今回の水道事業の質問をするにあたって集めた各種の資料です)
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 水道事業はいま、全国的に大きな変化に直面しています。その一つは各家庭に水を届けるために埋設されている膨大な水道管をはじめとした各種の水道設備の老朽化対策、そして阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て重要視されてきた「耐震化」対策への対応です。

 全国的には水道普及は1970年代に大きく進み普及率は9割を超えるにいたりました。つまり1970年代に多くの水道管の埋設が集中的に行われたということです。そして水道事業は国の定めた様々な基準などがありますが、その中で水道管の耐用年数も地方公営企業法施行規則によって法定耐用年数が40年と定められています。したがって40年くらい前に集中的に行われた水道管設置工事とほぼ同規模の工事を今、再びやる必要があるということです。

 そしてこの老朽化対策とともに、前に触れた地震などに備えた「耐震化」もあわせてする必要があり、機械的に40年たったものから順次更新していけば一度に大量の工事をしなければならないし、その費用も膨大になります。
 ちなみに70年代のように今後も人口増が続き社会の規模が広がり続けるというのなら、その費用も「先行投資」として後で回収すればいいとなるかもしれませんが、少子高齢化などでもあり、かつてのような人口増が見込めないもとでその費用負担をどうするかは難しい問題でもあります。

 それで今、国の方で水道管更新工事が短期間に集中しないように、長寿命化や延命化を行うなどして、計画的な更新工事を進めるように指針などを打ち出しています。
 この老朽化・耐震化にかかわる工事費用についての研究の中には、1地方自治体で向こう50年間で毎年9〜10億円程度の費用がかかると試算しているものもあります。通常の地方自治体が水道事業のインフラ整備に投資している額は年間おおよそ3億円程度とのことで、その3倍の費用が毎年かかるという試算でした。
 長寿命化、延命化などを真剣に進めて、費用総額をある程度は圧縮できても、それでもなおかなりの費用が必要になりそうです。

 一般質問では京田辺市の場合の見通しを聞きました。京田辺市では70年代後半から80年代にかけて大規模住宅開発が行われその時期に埋設された水道管も多いので、全国的な傾向から比べると耐用年数を迎えるまでは時間的な余裕もあります。
 市当局もそのことに触れるとともに長寿命化、延命化を図りつつ計画的に更新をすすめるという基本方針を示し、その費用について2013〜27年度の15年間で約45億円と答弁しました。
 再質問でその財源対策について尋ねたところ「減価償却のために蓄積した資金をあてる」と答弁がありました。

に続く)
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2016年09月29日

京田辺市水道事業を論ずる視角 9月議会一般質問から1

 9月議会の一般質問では、京田辺市の水道事業についてある程度、まとまってとりあげました。これまでにも一般質問や決算委員会などで水道事業にふれたことはありますが、どちらかというとそれは京田辺市が京都府から購入している水資源、府営水といいますが、その評価や見直しに関わってとり上げることが多かったです。
 府営水は京田辺市の水道事業にとってかなり大きなウエイトを占める問題ではありますが、今回は改めて水道事業全体を包括的にとらえた上で府営水の問題を位置付ける議論の組み立てをしています。

 水道事業を考える一番の出発点は住民にとって、安全で良質な水を安定的に供給されることと、その水道料金負担が過大にならないということではないでしょうか。そのために水道事業の様々な部分を見直したり、改善をしていくとともに、その責任を地方自治体、そして国や都道府県がしっかり果たしていくことが大切です。

 このことを前提に改めて京田辺市の水道事業の特徴や内容などをずい分と調べました。後でも触れますが水道事業は全国的には今、大きな変化に直面をしており、国(厚生労働省が担当になります)などもで色々な議論がされているし、それを受けて水道事業の主体である全国の市町村でも将来的な水道事業の見通しなどを計画にまとめる作業もされています。

 京田辺市の場合は2013年2月に、向こう15年間の水道事業の過大や方向性などを示した「京田辺市水道ビジョン」が策定されました。(これは市ホームページのコチラでPDF版を見ることができます。)
水道ビジョン表紙.JPG

 また「水道ビジョン」策定に前後して、京田辺市水道事業の全般的な基礎資料となる「京田辺市水道事業統計書」や、5年計画となる「水道事業中期計画」なども作成されています。他にもここ2,3年の水道事業の予算書や決算書、決算書に対する市監査委員の意見書などあります。

 今度の質問準備ではこれらの国や京田辺市がまとめた資料をかなり集めて読み込むところから始めました。「中期計画」では現在の時点のものだけでなく2006年に策定されたものも引っ張り出して調べたりしましたが、おかげでかなり勉強になりました。
 最初に読んだ時は「ふーん」と思っただけの資料でも、色々読み込んでいるうちに後からその重要性に気がついてもう一度調べなおすということもよくありました。

に続く)
posted by こうじろう at 16:02| Comment(0) | 市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月28日

9月議会終わる〜意見書などで活発な議論に

 今日は午後から9月議会の閉会本会議があり、市当局から提出された条例改正案や補正予算案、そして議員が提出した意見書案などについて、討論と採決がありました。
16年9月議会議員別態度一覧.JPG

 いつものように議案、意見書案に対する各議員の態度及び一般質問の実施状況をまとめたものを掲載しておきます。そのPDFファイルはこちら⇒16年9月議会議員別態度一覧
※16年9月議会議員別態度一覧の表に一部、誤りがあったので10/4に訂正しました。

日本共産党議員団は私を含めて5人の議員全員が、採決に先立って各議案などの問題点などを指摘する討論にたちました。
 議案の関係では、マイナンバー制度の導入に伴って市が保有する社会保障などに関する個人情報を自治体間で共有できるようにする個人情報保護条例の改正に対して、増富理津子議員が、マイナンバー制度全体も含めた問題点を指摘する反対討論を行いました。

 一般会計補正予算案では、岡本亮一議員が今回の補正予算に含まれている二つの問題点を指摘しました。一つは新名神高速道路建設に伴う側道整備の財源に関わる問題です。今回の補正予算では側道の交通安全上の整備に関わる費用が計上されています。この分だけを見れば、その費用は全額、新名神を建設するネクスコが負担しますが、今後の側道の維持や改善のための費用はすべて地元負担となる仕組みになっています。その問題点を指摘し、ネクスコへ負担を求めていくべきと指摘しました。
 もう一つは田辺中学校南側の、京都府が所有している土地を公園整備のために購入するための測量費用についてです。これについても京都府へ負担を求めるべきだと指摘しました。
 貴重な市民の税金をいかす為にも、ネクスコや京都府に対して毅然として、応分の負担を求める姿勢を市はもつべきだと思います。

 意見書案では今回は計6本の意見書案が提案されました。
 福島第一原発事故のために自主避難された方などからの陳情を受けて、日本共産党が提案した自主避難者への住宅支援継続を求める意見書案は、会派間での協議をして他会派からも提案された「東日本大震災による避難者の住宅支援継続を求める意見書」として一本化しました。文面などについて協議の中で変更がありましたが、それでも全会一致で可決できたことは良かったと思います。

 自民党内で北陸新幹線を京都〜大阪間のルートを京都府南部、京田辺市などを含む学研都市地域を通過させようと検討されていることに関して、さらに新幹線駅の設置などを求める意見書案が、一新会、公明党、自民新風会から提案されました。
 これには西畑俊彦議員が、まず提案者に対して4点、「@大阪止りでなく関西国際空港まで北陸新幹線を延伸させようと考えているのか。A新幹線新駅建設には巨額の地元自治体負担も考えられるが、その想定は。BJRは新幹線が開通した場合、並行する在来線の縮小などを進めているが、学研都市線や奈良線の複線電化への影響をどう考えるのか。C9月議会の一般質問で一新会の議員がリニア新幹線駅を京田辺市へ誘致すべきと述べたが、リニア新幹線駅も北陸新幹線駅も作るのか。」の質問をしました。

 これに対して提案議員は、「与党が検討している北陸新幹線の計画について京田辺市などに有利になってほしいということで意見書を出す。京田辺市は交通の便も良いが、若い世代に、企業誘致や雇用の充実など希望を与えたいというのが大きな目的。新駅建設の地元負担はあることはあるが、今の時点でその額は言えないし、それがあるからと二の足を踏んでしまっては夢がない。在来線の新幹線について、府南部12市町村長や各議長などで9月中旬に結成された促進同盟会の会合で京都府の幹部が、地元がJR複線化など色んな整備をすることでこの地域の価値が上がるのだから、大丈夫だと発言している。リニア新幹線も決まったわけではない。夢を抱くためのまちづくりとして提案している。もし両方来ることになれば、それはこの上ないことだ。関空など大阪へ5分から10分で行けるという夢を追い続けたい。」と答えました。

 北陸新幹線さえ通ればそれだけでバラ色の未来が開けるというまさに夢のような話ばかりで、巨額の地元負担の発生などを真剣に考えようとしない姿勢は問題ではないでしょうか。
 この意見書案には西畑利彦議員が反対討論にたち、そもそも与党内部で論議されているだけで、市民から北陸新幹線の延伸を求める声はないと述べた上で問題点を指摘しましたが、採決では賛成多数で可決されてしまいました。

 他に公明党が提案した次の二つの意見書案について、日本共産党議員団はそれぞれの問題点、課題などを指摘する賛成討論を行って、賛成しました。
 「次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修の見直しに関する意見書」は、福祉用具貸与などを原則自己負担とする改悪が計画されている下で、それに反対するものです。
 これには当然、賛成しますが、問題は安倍自公政権が進めようとしている介護保険制度改悪は、福祉用具の自己負担だけでなく、要支援者に続き要介護1・2の人の介護保険外しや、サービス利用料を1割から2割負担へ引き上げるなどの大幅な負担増などもあります。それらについてもしっかり反対していくべきだとということを、横山栄二議員が賛成討論で指摘しました。

 「返済不要の『給付型奨学金』の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書」について、日本の大学が世界一といわれる異常な高学費になっている一方で、高い利子のつく奨学金制度しかなく、大学卒業後の奨学金返済の負担の重さが社会的な問題になっている中で、給付制奨学金を創設することは重要な課題です。

 この意見書には私が賛成討論にたって、上記のことを述べて意見書の全体的な方向に賛同することを表明し、意見書文中にある「新所得連動返還型奨学金制度」について現在、文部科学省の内部の検討で逆行する方向が出されたことから、そのことを指摘して充実させるべきだと述べました。
 これらの2つの意見書もそれぞれ可決しました。

 京都弁護士会からの陳情を受けた「府南部地域に地方裁判所・家庭裁判所支部の設置を求める意見書」は全会一致で可決し、みらい京田辺が提案した「TPPについて情報公開と慎重審議を求める意見書」は賛成多数で可決しました。

 意見書案の審議や、決算特別委員会設置のための手続でけっこう時間がかかり、本会議が終わったのは5時過ぎになりました。9月議会は終わりましたが、私は横山栄二議員と一緒に日本共産党議員団から決算特別委員に出ることになったので、10月後半から11月初めにかけて、2015年度の京田辺市一般会計や各特別会計の決算審議にあたります。
 9月議会が終わってもそれらの審議準備や、資料請求などもあるのでしばらくは忙しい日が続きます。
posted by こうじろう at 21:01| Comment(0) | 議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月27日

「改定介護保険法と自治体の役割」を読んで

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 今回読んだのは、自治体研究社から2015年3月に発行された「改定介護保険法と自治体の役割 新総合事業と地域包括ケアシステムへの課題」で、著者は鹿児島大学教授の伊藤周平さんと、大阪社会保障推進協議会の日下部雅喜さんです。

 2014年6月、安倍内閣のもとで医療制度や介護保険制度を大幅に変更する医療・介護一括法が成立しました。この法律による介護保険制度改正は、かなり大きなもので、本書では理念の変更という点では介護保険制度導入以来の大きな変更とも指摘されています。

 この改正は2015年4月から施行され、要支援者など介護判定が軽度の人の介護サービスを、従来の介護保険内のサービスから、地方自治体が実施する「新総合事業」へ移行させることが始まっています。「移行」には経過措置があり、15年4月から直ちに移行した自治体は全国的には少数ですが、京田辺市でも2016年3月から「新総合事業」が始まっています。そして遅くとも17年4月にはすべての自治体で「移行」するとなっています。

 本書ではこの制度変更の内容について、法改正の中身にそって丁寧に解説されています。ただ今回の制度変更は非常に複雑でわかりにくいものであり、その狙いなどを分析する本書の記述も難解な感じがして、読み進むのにけっこう苦労しました。

 その中でも、この制度変更が国民の安心できる介護を受けたいという希望に応えるのではなく、介護の分野にも「自己負担」「自己責任」の理論を持ち込み、いかに「安上がり」な介護サービスに置き換えようとしているのかが読み取れます。

 また本書の最後の方では筆者による提言として介護「保険」から介護「保障」へという大胆な方向も打ち出されています。これは端的に言えば「要介護判定」というやり方を止め、必要な人へ必要な介護を、という方向へ抜本的に転換しようというものです。社会保障本来の理念にそったあり方として傾聴すべきものだと思います。

 介護保険制度全体にわたる改悪なだけに、まだまだ勉強しないといけない部分もありますが、あわせて現に介護のことで苦労している、また悩んでいる住民のみなさんのリアルな声にも耳を傾けて、これからも取り組んでいきます。
posted by こうじろう at 18:08| Comment(0) | 議会の外で | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月26日

意見書案の協議

 9月議会も閉会本会議を明後日にむかえ大詰めです。今日は午前中は、前回の議会運営委員会で、各会派から出された計7本の意見書案について、各会派の代表である幹事同士で、意見交換や協議、文言の調整などを行う幹事協議会がありました。

 この場で日本共産党議員団は、提案された7本の意見書案のうち、北陸新幹線京都府南部ルートに関するものについて、そもそもの計画に問題があることや、地元負担が膨大になることが予測されることなどを指摘して、賛成できない旨を表明しました。そして本会議でこれらの問題点について、提案者の考えを明らかにするよう求める質疑を行いたいと述べました。
 閉会本会議では、質疑と提案者の答弁などを踏まえて、改めてこの問題での日本共産党としての見解を述べる討論を行う予定です。

 京都弁護士会からの陳情を受けて、府南部に地方裁判所・家庭裁判所支部の設置を求める意見書案については、内容に問題もなく住民の要求にもそったものなので、賛成し共同提案者として日本共産党も署名することにしました。

 他の意見書案、公明党が提案した介護保険に関するものと奨学金に関するものについて、私からは全体としては賛同できるものだが、指摘しておくべき問題もあるので、それらについては賛成討論で述べたいと表明し、共同提案にはいたらないと述べました。

 TPPをめぐる意見書案については、公明党から文言修正の提起があり、若干の協議がありました。

 福島原発事故の避難者への住宅支援継続を求める意見書案については、表題では似たようなものが、日本共産党と一新会からそれぞれ提案されています。これについて一本化できないかどうかで協議しました。またこの中で他の会派からも賛同する上で、文言の修正などを求める発言もありました。

 議会が提出する意見書について、国政上の課題で意見がはっきり分かれるものは賛成多数などでも仕方ありませんが、住民のみなさんの陳情や要請を受けてあげるものについては、できるだけ議会の全会派が一致できる内容にすることも大事なことだと私たちは考えています。
 そのために表面的には字句の訂正ですが、実質はどういう事柄を盛り込むのか、あるいは盛り込まないのかなどで話し合います。

 今日の幹事協議会でも出来るだけ全会一致で可決できるようにならないかと協議をし、その中で私たちが求める内容、水準から見て少しもの足りないかなと思っても、それ以上は求めないこともあります。これは他の会派も同様で、相互にもの足りない部分が残っても、全会一致になるのならということで妥結することもあります。
 そういう協議を続け、結論から言うと日本共産党が提案したものは取り下げて、一新会が提案したものをベースにしたもので一本化することになり、その案で全会派が一致できるものとなりました。色々と議論がありましたが、現時点での到達ということですね。
posted by こうじろう at 15:43| Comment(0) | 議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする