2019年09月03日

都市農業振興の観点から生産緑地の見直しを〜都市計画審議会報告2

 今日の記事は8月30日の記事「生産緑地制度について〜都市計画審議会報告1」の続きです。
 上の記事にあるように、8月6日の都市計画審議会では、ある生産緑地の指定解除が承認されました。個々の生産緑地については様々な事情もあり、その指定解除をすることにはやむを得ない面もあります。しかし一方で今、国では生産緑地=都市農地・都市農業の位置付けを従来から大きく転換しています。

 それは簡単に言うと、従来は市街化区域の中にある「生産緑地」を含めた「都市農地」はいずれ無くして他の土地利用へしていくべきものとされていたものを180度転換して、都市にも「農地」は「あるべきもの」、保全していくべきものとされたことです。

 その背景には、食の安全への関心の高まりなど農業の重要性や食料自給率の引上げという面からの農業振興や、防災面での機能、国土・環境保全、コンパクトシティの推進など幾つかの面がありますが、それらを踏まえ国は2015年に「都市農業振興基本法」を制定し、翌16年には国の「都市農業振興基本計画」が策定されています。

 さらに18年秋には、生産緑地所有者が何らかの事情で農業に従事できなくなった場合に、すぐに生産緑地を手放すしかない現状を改め、他の農業従事者や市民農園などに賃貸借できるようにする、新しい制度も導入されました。

 審議の中で私は以上のことを紹介し、今後、京田辺市でも「生産緑地」のあり方について、都市農業の振興という角度からとり上げ、何らかの対策をもつべきではないかと指摘しました。この「都市農業振興基本計画」は国は策定義務がありますが、地方自治体では努力義務にとどまっており、京田辺市では今のところは策定されていません。

 また16年3月に策定された京田辺市の「産業振興ビジョン」の中の一つの柱である農業振興について、幾つかの方針は示されていますが、そこでも「都市農業」振興という視点は見当たりません。

 京田辺市では、全国的な生産緑地制度の導入から5年遅れて、市制移行の年の1997年から始まっています。出発当初の生産緑地は39地区、5.8ヘクタールでしたが、それが今回の解除も含めれば8地区減り、31地区4.7ヘクタールへと減少しています。生産緑地の解除後は、公共用途になったものも2つありますが、その多くは宅地開発などになっているのが現状です。

 この点では京田辺市でも都市農業の振興という観点から、生産緑地=都市農地をどう保全していくのかが問われていると思います。

(終わりです)
posted by こうじろう at 15:43| Comment(0) | 市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする