2017年07月27日

「戦争と自治体」を読んで

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 今回読んだのは、安倍内閣が2015年9月に戦争法を強行したのを始め、改憲策動をいっそう強めている最中に、改めて戦争と地方自治体の役割を考え、戦争する国づくりを許さない運動を進めようと、自治体労働者でつくる労働組合・京都自治労連と弁護士でつくる自由法曹団京都支部が共同で発行したブックレット「戦争と自治体 自治体の歴史に学び戦争する国を許さない」です。

 手頃なブックレットですが、史実に丹念にあたり、戦前の日本で徴兵制がどのような形で行われていたのか、具体的に示して理解が深まりました。戦前は明治憲法によって「徴兵制」がしかれ、その具体的な行政事務を担うために当時の市町村に「兵事係」が置かれ、20歳の男子の名簿づくりに始まって徴兵検査、召集令状の配達などを軍部の統制に基づいて進めていました。

 その具体的な事務の一つに、一人一人の徴兵検査合格者について、仕事や特技、家庭環境などを記入した調査資料を作成することもあり、それを土台に軍が作戦に必要とする資質、能力を持った人員を選んで徴兵していたこともあります。

 最大で700万人もの住民を徴兵した、戦前の膨大な徴兵業務は冷静に考えれば軍だけでできるはずもなく、当時の行政機構、仕組みなどがフルに活用されたことはわかりますが、その仕組みなどが戦争が激化して整えられた、つくられたものではなく、明治憲法下でもともとつくられた徴兵制の仕組み、市町村に「兵事係」を置いて日常的な行政事務としていたことがあることが、本書を読むとリアルにわかります。
 まさにこの意味で、日本が起こした戦争は当時の市町村、今の地方自治体の「協力」なしにはできなかったのだと思います。

 本書はそれらを史実に即して紹介し、二度と地方自治体が、そしてそこで働く人たちがそのような戦争協力をしてはならないという歴史の教訓をまとめたものでもあります。手頃なサイズのブックレットですが、本書には資料として、現在の日本国憲法と自民党が作成した改憲草案の比較表、さらに明治憲法=大日本帝国憲法が資料として収録されています。

 戦争の痛苦の教訓を経て制定された、今の平和憲法に即した地方自治体をつくろうという意気込みがこれらの資料にも表れているように感じました。ぜひ多くの方にお読みいただきたいと思います。
posted by こうじろう at 17:03| Comment(0) | 議会の外で | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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